ギターを手に入れて練習を重ねていると、避けて通れないのが「弦交換」です。
「弦が錆びてざらざらしてきた」「音がこもるようになってきた」「練習中に弦が切れてしまった」など、弦交換が必要になるタイミングは必ず訪れます。
しかし、ギター初心者の方にとって、初めての弦交換はハードルが高く感じられるもの。
「どんな道具を揃えればいいのか分からない」「家にある工具で代用しても大丈夫?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
適切な道具を揃えておけば、作業時間を大幅に短縮できるだけでなく、大切なギターを傷つけるリスクや、弦の端で指を怪我するトラブルを防ぐことができます。
本記事では、ギターの弦交換に「必須の道具」から「あると格段に作業がスムーズになる便利グッズ」、さらに「ついでに揃えておきたいメンテナンス用品」まで、初心者向けに分かりやすく解説します。
ギターの弦交換に絶対必要な「必須道具」3選

まずは、弦交換を行うにあたって「これがないと作業が成立しない、あるいは非常に危険」という最低限の必須道具を3つ紹介します。
初めて弦交換にチャレンジする方は、まずこの3点を必ず手元に用意しましょう。
1. 新しいギター弦(アコースティック用/エレキ用)

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当然ですが、交換するための新しい弦が必要です。
弦を選ぶ際に最も重要なのは、自分が演奏しているギターの種類(アコースティックギター、エレキギター、クラシックギターなど)に合った弦を選ぶことです。
アコースティックギター(フォークギター)にはブロンズ弦やフォスファーブロンズ弦、エレキギターにはニッケル弦が一般的に使われます。
エレキギターにアコギ用の弦を張ったり、その逆を行ったりすると、ギターのネックに過度な負荷がかかったり、ピックアップが適切に音を拾わなくなったりするため注意が必要です。
また、弦の「太さ(ゲージ)」にも注意しましょう。
初心者の場合は、エレキギターなら「09-42(スーパーライトゲージ)」または「10-46(レギュラーライトゲージ)」、アコースティックギターなら「カスタムライト(11-52程度)」または「ライト(12-53程度)」を選ぶと、指への負担が少なく押さえやすいためおすすめです。
2. ニッパー(弦を切る道具)

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ギターの弦は金属製(スチールやニッケルなど)であるため、家庭用の文房具ハサミでは切断できません。
無理にハサミで切ろうとすると刃がこぼれて壊れてしまうだけでなく、弦が跳ねて危険です。
必ず金属を切断できる「ニッパー」を用意してください。
ニッパーは以下の用途で使用します。
- 古い弦を外す際、ペグ付近で切断して取り外しやすくする
- 新しい弦をペグポストに通して巻き終えた後、余った弦を短く切り落とす
余分な弦を切らずに伸ばしたまま放置していると、ギグバッグの内側を突き破って破れてしまったり、演奏中や移動中に指や目元に刺さって大怪我をしたりする危険があります。
楽器用として販売されている小型のニッパーや、ホームセンターなどで手に入る金属用ニッパーを準備しましょう。
3. チューナー

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新しい弦を張った直後は、弦がまったく巻き締まっていない状態です。
正しい音程まで巻き上げるために、チューナーは欠かせません。
クリップチューナー(ヘッドに挟んで振動で音を拾うタイプ)が最も手軽でおすすめです。
弦交換直後は、弦がまだ安定しておらず急激にチューニングが狂います。
音程を確認しながら慎重にペグを回すことで、誤って弦を巻きすぎて切ってしまう(巻き切り)リスクを防止できます。
あると劇的に作業が楽になる!おすすめ便利グッズ
必須の道具だけでも弦交換自体は可能ですが、専用の便利グッズを導入することで、作業の快適さとスピードが劇的に向上します。「弦交換が面倒」「手が疲れる」と感じている方は、ぜひ以下のアイテムを取り入れてみてください。
ペグワインダー(ストリングワインダー)

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ペグワインダー(ストリングワインダー)は、ペグのつまみ部分(ノブ)にはめ込み、クランク状のハンドルをクルクルと回すことで、高速でペグを回転させられる道具です。
弦交換の際、指先だけでペグを何度も回していると、指が痛くなったり手首が疲れたりします。
特に6本すべての弦を緩めて、再び張り直すとなると、数百回転もの巻き上げ動作が必要です。
ペグワインダーがあれば、手回しの数倍のスピードで作業が進み、作業時間を半分以下に短縮できます。
数百円程度から手に入るため、初心者こそ最初に買っておくべきアイテムといえます。
多機能型ワインダー(3-in-1ツール)

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近年、ギタリストの間で定番となっているのが、1台に複数の機能が集約された「多機能型ワインダー」です。
代表的な製品では、以下の3つの機能が一体化しています。
- ペグワインダー機能
- 弦を切断するカッター(ニッパー)機能
- アコギのブリッジピンを抜く「ピン抜き」機能
道具をいくつも個別に揃える必要がなく、ギターケースのポケットに1つ入れておくだけで完結するため、整理整頓や持ち運びの面でも非常に便利です。
ネックピロー(ネックサポート/ギター用枕)

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弦交換は、基本的にギターを机や床などの平らな場所に寝かせて行います。
しかし、ギターのヘッド部分は角度がついていることが多く、そのまま寝かせるとヘッドやペグが床に直接当たり、ネックに無理な負荷がかかってしまいます。
そこで役立つのが「ネックピロー(ネックスタンド)」です。ギターの首(ネック)の下に設置することで、ギターが水平に安定し、作業中に楽器がガタガタ動くのを防ぎます。
専用のウレタン製や木製のものが市販されていますが、持っていない場合はバスタオルを丸めてネックの下に敷くだけでも十分代用できます。
ブリッジピン抜き(アコースティックギター向け)

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アコースティックギターの弦交換をする場合、ボディ側にある「ブリッジピン」を抜く作業が発生します。
このピンは弦の張力で固く固定されていることが多く、指の力だけではなかなか抜けないケースが多々あります。
抜けにくいからといって、ペンチなどで力任せに挟んで引っ張ると、ピンに傷がついたり、最悪の場合はピンが折れてしまったり、ギターのブリッジ(木部)を凹ませてしまいます。
専用のブリッジピン抜きや、ピン抜き機能付きのワインダーを使用すれば、テコの原理で安全かつ簡単にピンを引き抜くことができます。
弦交換のついでに行いたい!メンテナンス道具リスト
すべての弦を外した瞬間は、普段は弦が邪魔で拭けない指板(フレットが打ち込まれている部分)やヘッド周りを徹底的にお手入れする絶好のチャンスです。
以下のメンテナンス道具を揃えておくと、愛機を常に美しい状態に保つことができます。
クリーニングクロス

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楽器専用のマイクロファイバークロスやネルクロスです。
弦を外した後の指板や、ボディ、ヘッドに付着した埃・皮脂汚れ・手汗を拭き取るために使用します。
ティッシュペーパーや硬い雑巾を使うと、ボディの塗装に細かな傷がついてしまう恐れがあるため、必ず繊維の細かい楽器専用クロスを使いましょう。
指板用オイル(レモンオイル/オレンジオイルなど)

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ローズウッドやエボニー(黒檀)などの塗装がされていない指板は、季節の変わり目や乾燥によって水分・油分が失われ、最悪の場合は木材にひび割れが生じることがあります。
弦を外したタイミングで、レモンオイルやオレンジオイル、または専用のコンディショナーを指板に薄く塗り込むことで、木材に潤いを与えて乾燥を防ぎ、指板表面の汚れも落とすことができます(※メイプル指板など、ウレタン塗装が施されている指板には基本的にオイル塗布は不要です)。
弦交換2〜3回に1回程度のペースでケアを行うのが理想的です。
フレット磨きプレート&研磨クロス

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フレット(指板に打ち込まれている金属のバー)は、時間とともにくすんだり酸化して錆びたりします。
フレットがザラついていると、チョーキングやビブラートの滑りが悪くなり、弾き心地が著しく低下します。
金属磨き用の専用クロスやコンパウンドを使って磨くと、ピカピカの輝きと滑らかな弾き心地が復活します。
指板の木部を傷つけないよう保護する「フレットガードプレート」を当てながら磨くのが安全です。
初心者が道具選びで失敗しないためのポイント
道具を揃えるにあたって、初心者が疑問に思いやすいポイントをまとめました。
100円ショップの工具は代用できる?
結論から言うと、100円ショップの工具でも代用可能なものと、そうでないものがあります。
ニッパーに関しては、一般的な軟線用ニッパーだとギターの太い低音弦(特に巻き弦の芯線)を切った際に刃が欠けてしまうことがあります。
100円ショップで購入する場合は、「ピアノ線対応」や「硬線用」と表記されている、しっかりした作りのものを選びましょう。
可能であれば、ホームセンターで800円〜1,500円前後の工具メーカー製ニッパーを購入したほうが、切れ味が長持ちし作業の安全性も高いです。
一方で、下に敷くタオルや、簡単な埃取り用ブラシなどは100円ショップのものでも全く問題ありません。
初心者には「ギター工具セット」の導入もおすすめ

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「道具を1つずつ調べるのが面倒」「何を買えばいいか迷ってしまう」という場合は、大手楽器アクセサリーメーカー(ダダリオ、フェルナンデス、ミュージックマンなど)から発売されているギターメンテナンス用ツールセットを購入するのも賢い選択です。
ストリングカッター、ペグワインダー、各種六角レンチ、クロスなどが専用ケースにまとまっており、バラバラで揃えるよりも結果的に安く済む場合があります。
スタジオ練習やライブに持参する際も紛失しにくいため重宝します。
道具を使うタイミングが分かる!弦交換の基本4ステップ
準備した道具をどの順番で使うのか、作業の全体の流れを把握しておくと、よりスムーズに弦交換を進められます。
ステップ1:ネックを安定させ、古い弦を緩めて切る
作業スペースを確保し、ギターの下にマットやタオルを敷いて、ネックピローでネックを支えます。
ペグワインダーを使ってペグを回し、弦の張力を完全に緩めます。
しっかり緩んだことを確認してから、ニッパーで弦の中央付近、またはヘッド付近を切断します(※張力がかかった状態で弦を切ると、勢いよく跳ねて怪我をする恐れがあるため必ず完全に緩めてから切りましょう)。
ステップ2:古い弦を取り外し、ボディや指板を掃除する
エレキギターならブリッジ側から弦を抜き取り、アコースティックギターならブリッジピン抜きを使ってピンを外して弦を外します。
すべての弦が外れたら、クロスや指板オイルを使って普段掃除できない部分のホコリや手垢を綺麗に拭き取ります。
ステップ3:新しい弦を取り付けて巻き上げる
新しい弦を太さ(弦の番号)順に確認し、ボディ側から通します。ペグポストの穴に弦を通し、適切な「たるみ(巻きしろ)」を持たせた状態で、ペグワインダーを使ってペグを巻き上げていきます。ポストの下側に向かって綺麗に弦が重ならないよう巻きつけるのがコツです。
ステップ4:チューニングと余分な弦のカット
チューナーを起動し、正しい音程まで各弦を巻き上げます。ある程度音が合ったら、弦を軽く指で引っ張ってストレッチ(弦伸ばし)を行い、再びチューニングします。
音程が安定したら、ニッパーを使ってペグポストから突き出ている余分な弦を根元付近でカットして完了です。
まとめ:道具を揃えて安全&スムーズに弦交換を楽しもう
ギターの弦交換に必要な道具を整理すると、以下のようになります。
- 最低限必要な道具:新しい弦、ニッパー、チューナー
- あると便利な道具:ペグワインダー(多機能ワインダー)、ネックピロー、ブリッジピン抜き
- ついでに揃えたいケア用品:クロス、指板オイル、フレット磨き
弦交換は、単なる消耗品の取り替え作業ではありません。
愛機の状態を細かくチェックし、メンテナンスを行うことで、楽器への愛着が深まる大切な時間です。
最初は手元がおぼつかず時間がかかるかもしれませんが、使い勝手の良い道具を揃えておけば、作業は驚くほど快適になります。
ぜひ自分に合った道具を準備して、弦交換にチャレンジしてみてください。
張りたての弦が響かせる、鮮やかで力強いサウンドが待っています。