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ギターのフレット数による違いとは?21・22・24フレットの特徴

ギター 2026.10.24 公開

エレキギターを選ぶ際、ボディの形状や木材、ピックアップの種類に目を奪われがちですが、演奏性やサウンドを決定づける極めて重要な要素の一つが「フレット数」です。

楽器店で見かけるギターの指板には、主に21フレット、22フレット、24フレットの3種類が存在します。

「たった数本のフレットの差で何が変わるのか?」と思われるかもしれません。
しかし、フレット数は演奏できる最高音の違いだけでなく、ギターの構造、フロントピックアップの搭載位置、さらには出力される音色そのものにまで劇的な影響を与えます。

この記事では、21フレット・22フレット・24フレットそれぞれの構造的な特徴、メリット・デメリット、サウンドの違いを徹底的に解説します。

自分の演奏スタイルや好みの音楽ジャンルに最適なギターを見つけるための参考にしてください。

ギターのフレット数とは?基本知識と音域の仕組み

ギターの指板に打ち込まれている金属のバーをフレットと呼びます。
弦を押さえる位置をフレットで区切ることにより、半音単位で正確な音階を出す仕組みになっています。

フレット数による最高音の違い

レギュラーチューニング(6弦からE-A-D-G-B-E)の場合、1弦の開放弦は「E(ミ)」の音です。ここからフレットを上がっていくごとに半音ずつ音が高くなります。

各フレット数における1弦の最高音は以下の通りです。

  • 21フレット:高音の「C#(ド#)」
  • 22フレット:高音の「D(レ)」
  • 24フレット:高音の「E(ミ)」

24フレット仕様のギターは、開放弦のEから数えてちょうど2オクターブ高いEまでをカバーします。
つまり、1本の弦で完全な2オクターブの音域を無理なく演奏できるのが24フレットの大きな強みです。

音域だけでなく構造やサウンドにも影響する理由

フレット数が増えると、指板そのものがボディ側に向かって長くなります。
ギター全体のスケール(弦長)は基本的に変わらないため、指板が伸びた分だけ、ネックとボディの接合方法やピックアップの配置スペースに変更が加えられます。

特に影響を受けるのが「フロントピックアップ(ネック側ピックアップ)の位置」です。
フレット数によってフロントピックアップを配置できる場所が弦の振動のどの位置に当たるかが変化するため、アンプから出力される音色そのものに明らかなキャラクターの違いが生じます。

21フレットギターの特徴・メリット・デメリット

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21フレットは、エレキギターの黎明期から存在する最も伝統的な仕様です。
ヴィンテージスタイルのギターに多く採用されています。

伝統的なヴィンテージスタイルと特徴

1950年代に登場したFenderのストラトキャスターやテレキャスターなど、エレキギターの黄金期を築いたモデルの多くが21フレット仕様でした。
当時はハイポジションで激しいソロを弾き倒すプレイスタイルが確立されていなかったため、21フレットで十分事足りていたという歴史的背景があります。

21フレットのメリット

21フレット仕様の最大のメリットは、「フロントピックアップから得られる甘く太いトーン」にあります。
指板が短いため、フロントピックアップをネックのすぐそば、すなわち弦の振幅が大きく低音成分が豊かなポイント(24フレット相当の位置)に設置することができます。
これにより、ストラトキャスター特有の太くジューシーなフロントトーンや、抜けの良いハーフトーンが生まれます。

また、ヴィンテージリイシューモデルやトラディショナルな仕様のネックは、クラシックロックやブルース、カントリーなどを愛好するギタリストにとって、握り心地やルックスの面で代えがたい魅力を持っています。

21フレットのデメリット

最大のデメリットは、ハイポジションにおける音域の制限です。1弦の最高音が「C#」であるため、ロックのギターソロで極めて頻出する「ハイコードのD」を単音で実音として出すことができません。
Dの音を鳴らすには、21フレットを半音チョーキングする必要があります。

さらに、高音部でチョーキングを多用すると音程のコントロールが難しくなり、速いパッセージの中でスムーズに音を繋げることが困難になる場合があります。

代表的なモデル

  • Fender Traditionalシリーズ / Vintage IIシリーズ(ストラトキャスター、テレキャスター)
  • ヴィンテージ仕様の各種リイシューギター

22フレットギターの特徴・メリット・デメリット

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22フレットは、伝統的なサウンドを損なうことなく演奏性を拡張した、現代のエレキギターにおける事実上の標準(スタンダード)仕様です。

最もバランスに優れた現代のスタンダード

1970年代から80年代にかけて、ギタリストたちのプレイスタイルが高度化する中で「あと半音高いDの音が欲しい」という要望に応える形で普及しました。
Gibsonのレスポールは元々22フレット仕様であり、Fenderもモダンなモデル(American Professionalなど)では22フレットを標準採用しています。

22フレットのメリット

22フレットの大きな利点は、1弦で「高音のD」をチョーキングなしの実音で鳴らせる点です。
ロックやポップスの多くの楽曲はDやEのキーで作られており、ギターソロのクライマックスでDの音をストレートにヒットできる恩恵は計り知れません。
ここから全音チョーキングをすれば、さらに高音の「E」へも容易に到達できます。

また、多くの22フレットギター(特につば出しと呼ばれる指板エンド構造のモデル)では、フロントピックアップの位置を21フレット仕様とほぼ同等の場所に保っています。
そのため、伝統的な太く甘いフロントトーンを維持しながら、実用的な音域を確保できるという絶妙なバランスを実現しています。

22フレットのデメリット

バランスが良い反面、現代的なテクニカルインストやプログレッシブメタル、超絶技巧系のソロフレーズを演奏する際には、依然として音域が足りなくなるケースがあります。
2オクターブ目の「E」を実音で鳴らし、そこからさらにチョーキングで高みを目指すようなプレイには対応しきれません。

代表的なモデル

  • Gibson レスポール / SG
  • Fender American Professional II ストラトキャスター
  • PRS(Paul Reed Smith)Custom 22 / McCarty

24フレットギターの特徴・メリット・デメリット

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24フレットは、ハードロック、ヘヴィメタル、フュージョンなどのテクニカルなプレイスタイルに対応するために進化した仕様です。

2オクターブを完全網羅するモダン・テクニカル仕様

各弦で完全に2オクターブ(24半音)の音域をカバーできる設計です。
指板の終端がボディの深くまで伸びており、ハイポジションをスムーズに弾くためのカッタウェイ加工や、滑らかなヒールレス・ネックジョイントが組み合わされるのが一般的です。

24フレットのメリット

最大のメリットは、最高音「高音のE」を実音で鳴らせる点です。
キーがEやEmの楽曲において、チョーキングを介さずに最高音をピッキングできるため、速弾きやタッピングなどの複雑なフレーズを正確なピッチで演奏できます。
さらに、24フレットから全音チョーキングを行えば、超高音の「F#」まで表現領域を広げられます。

また、24フレットが収まるように設計されたボディはカッタウェイが深くえぐられており、20〜22フレット付近の演奏性が21フレットや22フレットのギターに比べて圧倒的に高いという特徴もあります。
高音域を頻繁に行き来するギタリストにとって、ストレスのない操作性を提供します。

24フレットのデメリット

24フレットのデメリットとして最も議論されるのが、「フロントピックアップのサウンドキャラクターの変化」です。
指板が長くなった分、フロントピックアップをブリッジ側に押し出す形で配置せざるを得ません。

この配置移動により、21フレットや22フレットのギターと比べてフロントピックアップの低音の太さや甘さが減少し、やや硬質でブライトなトーンになります。
太くウォームなヴィンテージサウンドを求めるプレイヤーには、このトーンが物足りなく感じられることがあります。

代表的なモデル

  • Ibanez RGシリーズ / Sシリーズ
  • PRS(Paul Reed Smith)Custom 24
  • ESP / SCHECTERなどのモダンコンポーネント系ギター

フレット数でサウンドはどう変わる?ピックアップ位置の秘密

フレット数の違いが演奏性だけでなく音質にも関わる理由は、弦の振動特性(倍音構造)とピックアップの配置位置にあります。

なぜフレット数でフロントピックアップの音が変わるのか

弦を弾いたとき、弦の中央付近ほど振幅が大きく、豊かな低音と倍音を含みます。
21フレットや多くの22フレットギターでは、フロントピックアップのポールピースの真上に、弦の24フレットに相当するポイント(スケールの4分の1のノード)が重なるように設計されています。

このポイントは、開放弦を鳴らした際に第4倍音の節となり、暖かみのあるふくよかなサウンドを出力するのに最適な位置とされています。

一方、24フレットギターでは、そのスイートスポットに23フレットと24フレットの指板が存在するため、フロントピックアップは必然的にブリッジ側へ数センチ移動します。
弦の端(ブリッジ側)に近づくほど振幅はタイトになり高域が強調されるため、24フレットギターのフロントトーンはクリアで輪郭がはっきりしたシャープな音色になります。

サウンド傾向の比較まとめ

  • 21フレット・22フレット:フロントトーンが太く、甘く、ふくよか。ブルースやジャズ、オールドスクールなロックに最適なウォームな響き。
  • 24フレット:フロントトーンがクリアで歯切れが良く、歪ませても音が潰れにくい。深いディストーションをかけた速弾きでも輪郭が残りやすい。

演奏スタイル別!あなたにおすすめのフレット数は?

それぞれのフレット数には明確な強みがあります。

自分が演奏したい音楽ジャンルや重視するポイントに合わせて選びましょう。

ブルース・クラシックロック・トラッド系なら「21フレット」

ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのような伝統的なトーンを愛するギタリストには、21フレットが最適です。

ハイポジションの最高音を無理に追求せず、ニュアンス重視のチョーキングと極上のフロントピックアップサウンドを存分に味わうことができます。

ポップス・ロック・オールジャンル対応なら「22フレット」

1本のギターで歌モノのバッキングからポップスのカッティング、ロックのソロまで幅広くカバーしたいなら、22フレットが最も無難で確実な選択肢です。

実用的な最高音Dを確保しつつ、王道のフロントトーンも犠牲にしないため、スタジオミュージシャンやセッションプレイヤーからも圧倒的な支持を得ています。

メタル・フュージョン・テクニカルソロ志向なら「24フレット」

スウィープピッキング、両手タッピング、超高音域での速弾きソロを演奏したいギタリストには、24フレット一択です。

ハイポジションのストレスフリーな弾き心地と、ハイゲインアンプで歪ませても濁らないタイトなフロントトーンは、ヘヴィかつモダンな楽曲において最大の武器になります。

まとめ

ギターのフレット数は、単に「弾ける音の数」の違いにとどまりません。

  • 21フレット:伝統のヴィンテージトーンと、太く甘いフロントピックアップサウンドが魅力
  • 22フレット:実音でDをカバーしつつ王道トーンを維持する、最もバランスに優れた現代標準
  • 24フレット:2オクターブを完全網羅し、高音域の圧倒的な演奏性と輪郭のあるモダンサウンドを提供

どちらが優れているかという絶対的な優劣はなく、自分がどのような楽曲を演奏し、どのようなトーンをアンプから響かせたいかによって最適なフレット数は変わります。

ギターを購入する際やオーダーする際は、ぜひフレット数とピックアップ位置の関係性にも注目して、理想の1本を選び抜いてください。