📖 音楽コラム!

Ample Sound AMPLE METAL ECLIPSEとは?メタル向けの重厚なギターサウンドを再現する音源を解説

ソフトウェア音源 2026.10.13 公開

DTMでヘヴィメタルやハードロック、メタルコアなどの重厚な楽曲を制作する際、もっとも頭を悩ませる要素のひとつが「エレキギターの打ち込み」です。
生々しいピッキングのニュアンスやタイトなパームミュート、超低音のドロップチューニングの響きをソフトウェア音源で再現するのは決して容易ではありません。

そんな中、プロからアマチュアまで幅広いクリエイターから絶大な支持を集めているのが、Ample Sound社が開発する「AMPLE METAL ECLIPSE(略称:AME)」です。
名機ESP Eclipseをサンプリングした本音源は、メタル特有のアグレッシブかつ重厚なギターサウンドを驚くほどリアルにDTM環境で再現します。

本記事では、AMPLE METAL ECLIPSEの基本的なスペックや特徴、制作を効率化する便利機能、実際の打ち込みやサウンドメイクのコツまで、余すところなく詳しく解説します。

Ample Sound AMPLE METAL ECLIPSEの概要と基本スペック

※本サイトはアフィリエイトプログラムにより収益を得ている場合があります。

AMPLE METAL ECLIPSEは、高品位なアコースティックギターやエレキベース音源で定評のあるAmple Soundが手がける、メタル特化型バーチャルギター音源のフラグシップモデルです。

サンプリング元として選ばれたのは、多くのメタル・ハードロック系ギタリストに愛用されている名器「ESP Eclipse I」です。
ピックアップにはSeymour Duncanを搭載し、マホガニーボディならではの太く芯のあるミッドレンジと、抜けの良いタイトなハイエンドを忠実にキャプチャしています。

基本仕様一覧

  • サンプリング元ギター:ESP Eclipse I(Seymour Duncanピックアップ搭載)
  • サンプル容量:約3.5GB(無劣化ロスレス圧縮)
  • 収録サンプリングレート:24bit / 44.1kHz
  • 対応チューニング:スタンダードEからドロップC0(実質的な超低音域)まで対応
  • 対応プラグイン規格:VST2、VST3、AU、AAX、スタンドアロン
  • 対応OS:Windows / macOS(Apple Siliconネイティブ対応)

サンプル容量は約3.5GBと、昨今の大容量音源に比べると非常にコンパクトにまとめられています。
しかし、無駄のないサンプル管理と高度なスクリプティングにより、動作の軽快さとサウンドのクオリティを高い次元で両立しているのが大きな強みです。

AMPLE METAL ECLIPSEがメタル制作で高く評価される4つの特徴

メタルサウンドに特化したギター音源は市場にいくつか存在しますが、その中でもなぜAMPLE METAL ECLIPSEが選ばれ続けているのか、その具体的な理由を4つのポイントに分けて掘り下げます。

1. 圧倒的な重低音を生み出す拡張ドロップチューニング

現代のメタルシーンでは、ドロップDやドロップCはもちろん、ドロップB、ドロップA、さらにはそれ以下の極限まで下げられたダウンチューニングが多用されます。
従来の一般的なギター音源では、ピッチシフト処理によって音質が劣化したり、アタックの芯がぼやけてしまうことが珍しくありませんでした。

AMPLE METAL ECLIPSEは、最低音としてC0(通常のギターの1オクターブ以上下)までのダウンチューニングに対応しています。
太いゲージの弦を実際に張ってチューニングを下げた際特有の「弦のたるみ感」や「タイトなローエンドのアタック」を損なうことなく、モダンジェントやメタルコアに求められる極太のリフを鳴らし切ることができます。

2. リアルなリフを構築する多彩なアーティキュレーション

メタルギターの打ち込みで最も重要とされるのが、パームミュート(ブリッジミュート)の質感と、各種奏法のスムーズな切り替えです。

AMPLE METAL ECLIPSEには、メタルリフに不可欠なアーティキュレーションが網羅されています。

  • サステイン(ダウンピッキング/アップピッキング)
  • パームミュート(ベロシティによるミュート圧の多段階変化)
  • ミュート(完全なブラッシング)
  • ピッキングハーモニクス(メタル特有の甲高い鳴き)
  • ナチュラルハーモニクス
  • ハンマリング・オン/プリング・オフ(レガート)
  • スライド(レガートスライド/スライドイン/スライドアウト)
  • スクラッチ音・フレットノイズ・スラップノイズ

特にパームミュートはベロシティの値に応じてタイトなミュートからハーフミュート、オープンに近い響きまで滑らかに推移するため、機械的な平坦さを完全に排除した生き生きとしたグルーヴを生み出せます。

3. 自在なサウンドメイクが可能な内蔵アンプ&エフェクトシステム

音源内部には、メタルに最適化されたヘッドアンプモデル、キャビネットIR、各種ストンプボックス(オーバードライブ、コンプレッサー、EQ、コーラス、ディレイ、リバーブなど)が組み込まれています。

外部プラグインを立ち上げることなく、音源内部だけで即戦力のハイゲインサウンドを完成させられるため、作曲初期のスケッチ作業が非常にスムーズに進みます。
また、複数のマイクポジションやルームマイクのブレンドも直感的に操作可能です。

もちろん、アンプセクションをバイパスしてクリーンなDI信号(ライン直録り音)のみを出力することも可能です。
お気に入りの外部アンプシミュレーター(Neural DSPやBIAS FX、Line 6 Helixなど)と組み合わせることで、音作りの自由度は無限に広がります。

4. TAB譜入力にも対応した「Riffer」と「Tab Player」機能

Ample Sound製品共通の強力なツールとして「Riffer」機能と「Tab Player」機能が搭載されています。

Riffer画面では、ピアノロールとは異なりギターの弦とフレットを意識した直感的なリフエディットが可能です。
ギタリストの運指ロジックを忠実にシミュレートするアルゴリズムが組み込まれているため、「どの弦のどのフレットを押さえて弾くか」を視覚的に指定でき、不自然なコードボイシングや運指の破綻を防ぐことができます。

また、Guitar Pro形式のTAB譜(.gp3〜.gpx形式)を直接読み込んで再生するTab Player機能を使えば、市販のスコアや自身が作成したTAB譜をそのままドラッグ&ドロップするだけで、驚くほど高精度な演奏が再現されます。

AMPLE METAL ECLIPSEでリアルなリフを打ち込む実践テクニック

AMPLE METAL ECLIPSEのポテンシャルを100%引き出し、生演奏と聴き分けがつかないレベルに仕上げるための実践的な打ち込みテクニックを紹介します。

ベロシティのダイナミクスを細かく描き分ける

メタルリフの打ち込みでありがちな失敗が、「音圧を出したいから」とすべてのノートのベロシティを127付近でベタ打ちしてしまうことです。
これではダイナミクスが失われ、平坦で機械的な印象になってしまいます。

小節の頭やアクセントを置きたい拍はベロシティを110〜125に設定し、その間の刻みは90〜105程度に抑えるなど、ピッキングの強弱を意識してカーブをつけてください。
これだけでリフの突進力とグルーヴ感が劇的に向上します。

左右のダブルトラッキング(LRの分離)を徹底する

メタルのバッキングギターにおいて、左右に完全に振り分ける「ダブルトラッキング」は標準的な手法です。
AMPLE METAL ECLIPSEには内蔵のダブラー機能も用意されていますが、より本格的な音圧とリアルさを追求するなら、トラックを2本立ち上げる方法をおすすめします。

  • トラック1(Pan: L100%)用とトラック2(Pan: R100%)用に別々のAMEインスタンスを立ち上げる
  • MIDIノートを微妙にヒューマナイズ(タイミングやベロシティをわずかにズラす)する
  • 左右で異なるキャビネットIRやマイク設定を適用する

このように設定することで、位相の打ち消し合いを防ぎつつ、壁のように広がるワイドで重厚なギターステレオイメージを構築できます。

DI出力と専用アンプシミュレーターの組み合わせ

内蔵アンプのクオリティも十分に高いですが、近年のモダンメタル系プロダクションでは、DI出力信号を外部のハイゲイン特化型アンププラグインへ送る手法が主流です。

AME内部の「AMP」パネルをオフにしてDIモードで書き出し、後段にNeural DSP「Archetype: Gojira」や「Fortin Nameless Suite」などをインサートすると、商業音源さながらの破壊力とエッジ感を持ったサウンドに仕上げることができます。

AMPLE METAL ECLIPSEのメリットと気になる点(デメリット)

導入を検討する上で知っておくべき、メリットとデメリットを整理しました。

メリット

  • 動作の軽快さ:サンプル容量が抑えられており、プロジェクト内に複数トラック立ち上げてもCPU負荷やメモリ消費が少ない。
  • モダンメタルに最適化された音色:中低域の粘りと歯切れの良さがあり、ミックスの中で埋もれない芯の太い音が得られる。
  • TAB譜インポートによる作業短縮:Guitar Proなどで作った譜面データをそのまま流用できるため、ギタリストやバンド経験者にとって作曲スピードが圧倒的に速い。
  • 買い切り型で導入しやすい:サブスクリプションではなく永久ライセンス形式で提供されている。

気になる点(デメリット)

  • クリーンやクランチには不向き:ESP Eclipseのハイゲインサウンドに特化しているため、繊細なネオソウルやジャズ、ポップスのカッティングなどの用途には別の音源(Ample Guitar LPやSCなど)が適している。
  • キースイッチの習得が必要:アーティキュレーションを完全に使いこなすためには、どのノートがどの奏法に割り当てられているかを把握する初期の学習コストがかかる。

他のAmple Metalシリーズとの違い

Ample Soundは、METALシリーズとして複数のモデルを展開しています。

中でもよく比較される機種とのキャラクターの違いを把握しておくと、選択に迷いません。

  • AMPLE METAL ECLIPSE(AME):ESP Eclipse I(6弦)。もっとも汎用性が高く、クラシックメタルからモダンメタルコアまで幅広くカバーする王道のドンシャリ〜中音域の粘りを持つサウンド。
  • AMPLE METAL HELLRAZER(AMH):Schecter Hellraiser(9弦)。ジェントやプログレッシブメタルなど、超多弦ギターによる異次元の低音域が必要なジャンル向け。
  • AMPLE METAL RAY5(AMR):Music Man Stingray(5弦ベース)。AMEと組み合わせることで、強固なメタル用ボトムエンドを構築できるベース音源。

「標準的な6弦ギターのフィーリングを維持したまま、重低音リフからテクニカルなソロまで幅広くカバーしたい」という用途であれば、AMPLE METAL ECLIPSEがもっともバランスの良い選択肢となります。

まとめ

Ample Soundの「AMPLE METAL ECLIPSE」は、ESP Eclipseならではの太くエッジの効いたトーンをベースに、メタル制作に求められるあらゆる要素を凝縮した秀逸なギター音源です。

C0までカバーする超低音ドロップチューニング対応、ベロシティ追従性の高いパームミュート、視覚的で扱いやすいRifferやTAB譜連携機能など、打ち込みギター特有のストレスを解消する工夫が随所に施されています。

「生演奏のようなヘヴィなギターリフを打ち込みたい」「プロジェクトの動作を重くせずに迫力あるメタルサウンドを作りたい」と考えているクリエイターにとって、AMPLE METAL ECLIPSEは制作のクオリティを一段階引き上げる心強い武器となるはずです。

※本サイトはアフィリエイトプログラムにより収益を得ている場合があります。