📖 音楽コラム!

Heavier7Stringsとは?7弦ギターの重低音を再現するギター音源の特徴を解説

ソフトウェア音源 2026.10.12 公開

近年のDTM(デスクトップミュージック)市場において、ラウドロック、メタルコア、ジェント(Djent)といったヘヴィミュージックの需要は高まり続けています。こうしたジャンルで不可欠となるのが、タイトで重量感のある低音を刻む7弦ギターのサウンドです。

しかし、打ち込みギター音源のなかには、低音弦の鳴りがぼやけてしまったり、ピッキングの鋭さが失われてしまったりするものも少なくありません。

そうした課題をクリアし、多くのコンポーザーやプロデューサーから高い評価を獲得しているのが、Three-Body Tech社が開発した7弦ギター専用音源「Heavier7Strings」です。

本記事では、Heavier7Stringsの基本的なスペックから独自の音源エンジン、サウンドメイキングの柔軟性、実際の制作で重宝される理由まで、余すところなく詳しく解説します。

Heavier7Stringsとは?メタル特化型7弦ギター音源の概要

※本サイトはアフィリエイトプログラムにより収益を得ている場合があります。

Heavier7Stringsは、中国の新進気鋭のプラグインデベロッパーであるThree-Body Tech(スリーボディ・テック)が開発した、メタルおよびヘヴィロック制作に特化したソフトウェア音源です。

開発に4年もの歳月を費やし、細部に至るまでこだわり抜いてサンプリングされたこの音源は、7弦ギターならではの圧倒的なローエンドとアタック感を忠実に再現します。

Kontakt不要の完全独自サンプリングエンジン

多くの高品質ギター音源はNative Instruments社のKontakt上で動作する仕様となっていますが、Heavier7Stringsは独自のエンジンを内蔵したスタンドアロン/プラグイン(VST、AU、AAX対応)として設計されています。
Native Instruments Kontaktのフルバージョンを別途用意する必要がなく、導入の敷居が低い点が特徴です。

自社開発された専用エンジンにより、膨大なサンプルライブラリ(約10GB)を効率的にメモリ管理し、軽快な動作と素早いロード時間を実現しています。
また、独自のDSP処理技術が組み込まれているため、打ち込み特有の機械的な質感を感じさせないリアルなギター演奏のニュアンスを引き出すことができます。

基本仕様とチューニング対応範囲

サンプリングに使用された実機ギターには、高品質なピックアップが搭載されており、スタンダードな7弦ギターのレギュラーチューニング(B1)から、さらにドロップさせた低音域までカバーします。

具体的には、最低音はA0付近まで対応しており、極端なドロップチューニングを多用するモダンメタルやニューメタル、プログレッシブ・メタルのトラック制作においても、音像が破綻することなく芯のある低音を出力できます。

Heavier7Stringsが誇る主な特徴と機能

Heavier7Stringsが従来のギター音源と一線を画している理由は、単にサンプリング音質が良いというだけにとどまりません。

ギターの演奏構造そのものを緻密にシミュレートするシステムと、ギタリストの直感に寄り添った機能が多数搭載されています。

1. 圧倒的なリアリティを誇るアーティキュレーション

メタルギターの要となるのは、ブリッジミュートやピッキングハーモニクス、強烈なチョーキングといった多彩なアーティキュレーションです。

Heavier7Stringsには、以下をはじめとする実践的な奏法が膨大に収録されています。

  • サステインおよびパームミュート:ミュートの深さ(ミュートの強弱)が複数段階で収録されており、ベロシティやキースイッチによって自然なグラデーションを表現可能。
  • スクリームおよびピッキングハーモニクス:ヘヴィなリフのアクセントに欠かせない甲高い倍音ノイズをリアルに再現。
  • スライド、ハンマリング・オン/プリング・オフ:滑らかなレガート演奏を自動で判別・トリガーするレガートエンジンを搭載。
  • フレットノイズやリリースノイズ:演奏の合間に生じる生々しい弦の擦れ音を自動的または手動で付加可能。

特にパームミュートの刻みにおいては、同一音の連打による「マシンガン効果」を防ぐラウンドロビン機能が徹底されており、ベタ打ちに近い入力でも生演奏のようなダイナミクスと揺らぎが得られます。

2. 直感的な演奏を可能にするフレットボードとインテリジェント機能

ギターは同じ音高であっても、どの弦の何フレットで弾くかによって音色(太さや倍音成分)が大きく変化します。
Heavier7StringsのGUIには仮想フレットボードが表示され、現在どのポジションで音が鳴っているかを視覚的に確認できます。

さらに、独自のインテリジェント・アルゴリズムが搭載されており、MIDIノートが入力された際に「人間のギタリストが実際に運指しやすいポジション」を自動的に計算して選択してくれます。
もちろん、手動で弦やフレットポジションを指定するキースイッチも用意されているため、こだわりたいフレーズでは狙い通りの弦の鳴りを細かくコントロールすることが可能です。

3. 完成された内蔵エフェクトラックとアンプシミュレーター

Heavier7Stringsの大きな強みのひとつが、スタンドアロンや単体トラック内で音作りを完結できるほど充実したエフェクトセクションです。

外部のアンプシミュレーターを立ち上げずとも、プラグイン内部で即戦力のディストーションサウンドを作り込めます。

  • プリアンプ/パワーアンプモデリング:ハイゲインアンプを中心とした複数のアンプモデルを搭載。歪みの質感やEQの効き具合が綿密に再現されています。
  • キャビネットシミュレーターとマイク配置:複数のスピーカーキャビネットとマイクタイプを選択でき、マイクの位置(オンマイク/オフマイク)の微調整も可能です。
  • 充実のエフェクター群:オーバードライブ、ディレイ、リバーブ、コーラス、フランジャー、ワウ、コンプレッサー、グラフィックEQなど、ギタリストの足元を再現する多彩なペダルエフェクトを自由にルーティングできます。

メタルサウンドに不可欠な「チューブスクリーマー系オーバードライブでローをカットし、ハイゲインアンプの前段でブーストする」といった定番の音作りも、内蔵エフェクトだけで極めて高いクオリティに仕上げられます。

4. 膨大なMIDIパターンとリフジェネレーター機能

ギターのボイシングや打ち込みテクニックに不慣れなキーボーディストやコンポーザーのために、数百種類に及ぶメタル/ロックのMIDIリフパターンがライブラリとして内蔵されています。
これらのパターンはプラグイン上で試聴できるだけでなく、DAWのタイムラインへ直接ドラッグ&ドロップして配置・編集が可能です。

プロのギタリストが構築した緻密なベロシティ設定やキースイッチの配置を直接確認できるため、打ち込みの学習教材としても非常に有益です。

サウンドクオリティと演奏性の評価

Heavier7Stringsを実際に楽曲制作で使用した際、どのような演奏フィールと音像が得られるのか、主要なポイントを掘り下げます。

重厚なバッキングリフにおけるタイトな音像

本音源が最も得意とするのは、やはり高速のブリッジミュートを用いたスラッシュメタル的なリフや、複雑なポリリズムを刻むプログレッシブ・メタルのバッキングです。
7弦ギターの最低弦(Low-BやLow-A)を強くピッキングした際の「バチン」という立ち上がりの衝撃と、その後に続く太いサステインが明瞭に分離して出力されます。

ベースやバスドラムといった帯域の重なる楽器と混ざり合っても輪郭がぼやけず、ミックス段階で過剰なイコライジングを施さなくてもトラックの前面に抜けてくるサウンドキャラクターを持っています。

表現力豊かなリードプレイとサステイン

バッキングだけでなく、ソロやリードギターの演奏性も高く評価されています。サステインの減衰が自然であり、モジュレーションホイールを用いたビブラートの深さや速度のコントロールにも滑らかに追従します。
また、ピッキングのアタックの強弱によって倍音の出方がリアルに変化するため、感情的な泣きのソロから流麗な速弾きスウィープまで、破綻なく表現できます。

競合するギター音源との違い

DTM市場には、Prominyの「V-METAL」やSolemn Tonesの「Odin II」、Ample Soundの「Ample Guitar Hellrazer」など、名作と呼ばれるメタル向けギター音源がいくつか存在します。

それらと比較した際のHeavier7Stringsの立ち位置は以下の通りです。

  • 内蔵エフェクトの完成度:V-METALやOdin IIはDI(クリーンな生音)での出力が前提となっており、別途アンプシミュレータープラグイン(Neural DSPやBIAS FXなど)を併用することが基本となります。一方、Heavier7StringsはDI出力も可能でありながら、内部エフェクトだけでプロクオリティの歪みが完成する点が大きなアドバンテージです。
  • プラットフォームの独立性:Kontakt等の外部サンプラーエンジンを必要としないため、システム構築の手間やコストを抑えられます。
  • ジャンルへの特化度:アコースティックやポップス向けの甘いトーンには不向きですが、ヘヴィネスを求める楽曲制作においては、セッティングの手間を大幅に省いて理想の重低音へ到達できます。

Heavier7Stringsを最大限に活かす音作りのポイント

Heavier7Stringsを導入してよりリアルで迫力あるギターサウンドを作るための、実践的な制作テクニックを解説します。

DI出力と外部アンプシミュレーターの併用

Heavier7Stringsの内蔵アンプは非常に優秀ですが、すでに愛用しているアンプシミュレーター(Neural DSP ArchetypeシリーズやAmpliTubeなど)がある場合は、エフェクトセクションをバイパスしてDI出力(ドライ音)を使用することをおすすめします。

Heavier7Stringsが持つ生々しいピッキングニュアンスと精緻なレガート処理を活かしつつ、外部の高品質なアンプモデリングを通すことで、商用音源と遜色のない極上のハイゲイントーンを作り出すことができます。

ダブルトラッキングの徹底

モダンなヘヴィロックでは、左右に完全に振り分けたギター(L100% / R100%)によるダブルトラッキングが基本です。

Heavier7Stringsを使用する際も、1つのMIDIトラックを単純にコピーして左右に振るのではなく、トラックを2つ立ち上げ、それぞれのMIDIノートのタイミングやベロシティに微妙な差をつけるか、プラグイン内部のヒューマナイズ機能を活用してください。

わずかなタイミングのズレとピックアタックの微細な差異が重なり合うことで、左右のステレオ音像が劇的に広がり、壁のような重厚なギターウォールを構築することができます。

導入時の注意点と動作環境

導入を検討するにあたり、事前に把握しておくべきポイントがいくつかあります。

  • クリーン〜クランチトーンへの適性:本音源はハイゲインでのディストーションサウンドに最適化されています。ネオソウルやジャズ、繊細なポップスで求められるようなウォームなクリーントーンを求める場合は、ストラトキャスターやレスポールをサンプリングした汎用音源を選定したほうが適している場合があります。
  • ストレージ容量とPCスペック:ライブラリ容量は約10GBと、近年の大容量音源と比較するとコンパクトに収まっています。しかし、ポリフォニックなボイス数が増えるメタルソロや、多数のエフェクトを内部処理する関係上、安定した再生にはSSDへのインストールおよび16GB以上のRAMを搭載した環境が推奨されます。

まとめ

Heavier7Stringsは、7弦ギターの重低音とエッジの効いたメタルサウンドを、打ち込みで妥協なく再現したいクリエイターにとって決定打となるギター音源です。

Kontaktを必要としない独自の洗練されたエンジン、徹底的に作り込まれたアーティキュレーション、そして即戦力となる内蔵エフェクトラックにより、初心者からプロのコンポーザーまでストレスなくヘヴィなトラックメイクに没頭できます。

「低音弦の刻みに迫力が足りない」「打ち込みギターの平坦さを解消したい」と悩んでいる方は、ぜひHeavier7Stringsの圧倒的なサウンドを体験してみてください。

あなたのDTM制作におけるリフメイキングが、劇的に進化するはずです。

※本サイトはアフィリエイトプログラムにより収益を得ている場合があります。