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アコースティックギターの特徴と選び方|種類・サイズ・おすすめモデルを解説

ギター 2026.10.04 公開

アコースティックギターは、アンプを使わずに生の木製ボディを共鳴させて心地よい音色を奏でる、非常に魅力的な楽器です。

弾き語りからソロギター、バンド演奏まで幅広いスタイルで愛されていますが、いざ購入しようと楽器店やネットショップを見ると、さまざまなサイズや形、素材、価格帯のモデルが並んでおり、「どれを選べば自分に合っているのか分からない」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

ギター選びで失敗しないためには、ボディのサイズや形状の違い、使用されている木材(トーンウッド)の特性、そして自分の体格や弾きたい音楽ジャンルに合っているかを見極めることが大切です。

本記事では、アコースティックギターの基本的な特徴から種類ごとの音色の違い、失敗しない選び方のポイント、さらにはおすすめの人気ブランドやモデルまで徹底解説します。

これからアコースティックギターを始めたい初心者の方から、2本目の買い替えを検討している中級者の方まで、自分にぴったりの1本を見つけるための参考にしてください。

アコースティックギターの基本構造と魅力

アコースティックギター(通称:アコギ)の最大の魅力は、電源や外部スピーカーを必要とせず、ギター本体だけで豊かで温かみのあるサウンドを出せる点にあります。

木材の振動がボディ内部で共鳴し、サウンドホールと呼ばれる中央の穴から音が広がります。

まずは、アコースティックギターと間違われやすい他のギターとの違いを正しく理解しておきましょう。

アコースティックギター(アコギ)とエレアコの違い

アコースティックギターには、純粋な生音だけを楽しむ「生アコギ(アコースティックギター)」と、マイクやピックアップを内蔵した「エレアコ(エレクトリック・アコースティックギター)」の2種類があります。

生アコギは構造がシンプルで、木材本来の鳴りを素直に楽しむことができます。一方のエレアコは、アンプやスピーカーに接続して大音量で演奏できるため、ライブハウスでの演奏やバンドでの使用、動画配信や録音などを視野に入れている方に適しています。

見た目や生音の鳴りはほとんど変わりませんが、用途に応じてどちらを選ぶべきかが異なります。

クラシックギター(ガットギター)との違い

見た目が似ている楽器に「クラシックギター」がありますが、張られている弦の素材が根本的に異なります。
フォークギターとも呼ばれる一般的なアコースティックギターには「スチール弦(金属製の弦)」が使用されており、煌びやかで張りのある高音と力強いサウンドが特徴です。

一方、クラシックギターには「ナイロン弦」が張られており、丸みのある柔らかく優しい音色が特徴です。

ポップスやロック、フォークソングを演奏したい場合は、一般的なスチール弦のアコースティックギターを選びましょう。

【ボディシェイプ別】アコースティックギターの種類と特徴

アコースティックギターは、ボディの形状(シェイプ)や大きさによって音量、音質、抱えやすさが大きく変わります。代表的なボディタイプを押さえておきましょう。

ドレッドノート(Dreadnought)|迫力のある大音量と重低音

アコースティックギターの代名詞とも言えるのが「ドレッドノート」と呼ばれる大型のサイズです。
大型戦艦に由来する名前の通り、ボディ全体が大きく、くびれが浅い形状をしています。

音量が大きく、豊かな低音と迫力のあるサウンドが最大の魅力です。

ピックを使ったコードストロークや、力強い弾き語りスタイルに非常に適しています。
世界中のミュージシャンに愛用されている標準的なスタイルですが、小柄な方や女性にとっては少々大きく感じられる場合もあります。

フォークタイプ(オーディトリアム/OOOなど)|抱えやすく繊細なサウンド

ドレッドノートよりも一回り小さく、ウエストのくびれが深い形状をしているのが「フォークタイプ」や「オーディトリアム(OOO:スモールオーディトリアム)」と呼ばれるモデルです。

ボディが薄めで抱えやすいため、小柄な方や女性、お子様でも無理なく構えることができます。
音の立ち上がりが早く、一音一音がクリアに響くため、指で弦を弾くフィンガーピッキングや繊細なソロギター演奏に向いています。

ミニギター(パーラー/トラベル)|持ち運びに便利で小回りが効く

通常のアコースティックギターよりもさらに一回り〜二回り小さなサイズ感で作られているのが「ミニギター(トラベルギター)」や「パーラーギター」です。

軽量でコンパクトなため、アウトドアや旅行先への持ち出し、部屋で気軽に手にとって弾くサブギターとして人気があります。

音量や低音の深みは大型のギターに譲りますが、独特のコロコロとしたかわいらしいサウンドが魅力です。

カッタウェイモデル|ハイフレットの演奏性に優れる

ボディのネック根元付近(肩の部分)が削られたような形状をしているものを「カッタウェイ」と呼びます。

ハイフレット(高音域のポジション)に手が届きやすくなっているため、ソロギターで高い音まで多用する場合や、リードフレーズを弾く際に威力を発揮します。多くのエレアコモデルに採用されている形状です。

アコースティックギターの失敗しない選び方5つのポイント

自分に合うアコースティックギターを選ぶ際、チェックすべき重要なポイントを5つに絞って解説します。

ポイント1:ボディサイズと体格の相性で選ぶ

ギター選びにおいて「抱えやすさ」は練習のモチベーションに直結する非常に重要な要素です。
体格に合わない大きなギターを選ぶと、右腕の固定が難しくなったり、肩が凝りやすくなったりして上達の妨げになることがあります。

背が高く力強いストロークを楽しみたい方は「ドレッドノート」、抱えやすさや取り回しの良さを重視したい方や小柄な方は「フォークタイプ(OOO・Grand Concertなど)」を選ぶのがおすすめです。

ポイント2:木材(トーンウッド)の種類と音色の特徴で選ぶ

アコースティックギターは、使用されている木材によって音色の傾向が変わります。
特に重要なのが、ギターの表面にあたる「トップ」と、側面・裏面にあたる「サイド・バック」の木材です。
代表的な木材には、スプルース、マホガニー、ローズウッド、シダーなどがあります。

スプルース

スプルースは、アコースティックギターのトップ材として非常に一般的な木材です。
明るくクリアな音色と優れたレスポンスが特徴で、コードストロークからフィンガーピッキングまで幅広い演奏に対応できます。
初めてアコースティックギターを購入する場合にも選びやすい、スタンダードな木材です。

マホガニー

マホガニーは、中音域が豊かで温かみのあるサウンドが特徴です。
スプルースと比較すると落ち着いた音色になりやすく、弾き語りやブルースなどとの相性にも優れています。
トップだけでなく、サイドやバックに使用されることも多い木材です。

ローズウッド

ローズウッドは、豊かな低音と伸びのある高音、豊富な倍音が特徴です。
音域の広いバランスの良いサウンドを求める人や、フィンガーピッキングを中心に演奏したい人にも適しています。

シダー

シダーは、スプルースよりも柔らかく、温かみのある音色が特徴です。
小さな力でも音を出しやすいため、フィンガーピッキングやソロギターとの相性に優れています。

ただし、木材だけでギターの音が決まるわけではありません。

ボディサイズ、ブレーシング、ネック、弦、製造方法などによっても音色は変化するため、木材はあくまで選ぶ際の一つの目安として考えるとよいでしょう。

ポイント3:単板か合板かで選ぶ

アコースティックギターを選ぶ際には、「単板」か「合板」かも重要なポイントです。

単板は、1枚の木材から作られた板を使用する構造です。
木材そのものの振動を活かしやすく、豊かな響きや繊細なニュアンスを表現しやすいのが特徴です。

一方、合板は複数の木材を貼り合わせて作られています。

単板と比較して価格を抑えやすく、環境の変化にも比較的対応しやすいというメリットがあります。
また、「トップ単板」というモデルもあります。
これは音への影響が大きいトップに単板を使用し、サイド・バックには合板を使用した構造です。

価格とサウンドのバランスを重視したい初心者には、トップ単板モデルも有力な選択肢になります。

ポイント4:弦の種類と弾きやすさで選ぶ

一般的なアコースティックギターにはスチール弦が使用されています。
ただし、同じスチール弦でも太さによって弾き心地やサウンドが変わります。
細めの弦は比較的押さえやすく、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

一方、太めの弦はしっかりとした音量や力強いサウンドを出しやすくなります。

また、弦だけでなく、ネックの形状やナット幅、弦高なども弾きやすさに大きく影響します。
特に初心者の場合は、スペックだけで判断せず、可能であれば実際にギターを構えて確認することをおすすめします。

「コードを押さえやすいか」「右腕が無理なくボディに乗るか」「ネックを握ったときに違和感がないか」といった点をチェックしましょう。

ポイント5:生音で使うかエレアコとして使うかで選ぶ

アコースティックギターには、ピックアップを搭載していない通常のモデルと、アンプやPAに接続できる「エレアコ」があります。

自宅での練習や弾き語りが中心なら、通常のアコースティックギターでも十分楽しめます。

一方、ライブやバンド演奏、路上ライブなどで使用する予定があるなら、エレアコを選んでおくと便利です。

エレアコなら、ギター本体の生音だけでなく、アンプやPAシステムから音を出すことができます。
また、将来的にライブをする予定がまだ決まっていない場合でも、録音や動画撮影などでライン出力を使用する可能性があるなら、エレアコを候補に入れておくとよいでしょう。
ただし、ピックアップが付いていることで必ず生音が良くなるわけではありません。

生音を重視するなら、まずボディ形状や木材、弾きやすさを確認し、そのうえでエレアコにするかどうかを決めるのがおすすめです。

初心者がアコースティックギターを選ぶなら?

初心者が初めてアコースティックギターを購入する場合は、価格だけでなく「弾きやすさ」と「使い方」を重視して選びましょう。

特に重要なのがボディサイズです。

大きなドレッドノートは音量があり、コードストロークや弾き語りに向いています。

一方、ボディが小さめのフォークタイプやコンサートタイプは抱えやすく、フィンガーピッキングにも向いています。

例えばYAMAHAのFG/FS800シリーズでは、大きめのトラッドウェスタンタイプのFGと、コンパクトなフォークタイプのFSが用意されています。
FS800は、コンパクトなボディによる弾きやすさを特徴としており、コードストロークからフィンガーピッキングまで対応しています。

また、予算に余裕があるなら、トップ単板モデルを選ぶのもおすすめです。

ただし、初心者の場合は高価なギターを選ぶことよりも、無理なく構えられて、コードを押さえやすく、練習を続けやすいギターを選ぶことのほうが重要です。

初心者におすすめのアコースティックギター5選

YAMAHA FG800

YAMAHA FG800は、初心者向けアコースティックギターの定番モデルです。

トラッドウェスタンタイプのボディにスプルース単板のトップを採用し、ナトーまたはオクメのサイド・バックを組み合わせています。
新設計のスキャロップドブレイシングによって、中低音の豊かな響きと力強いサウンドを実現しています。
弾き語りやコードストロークを中心に、これからアコースティックギターを始めたい人に適したモデルです。

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YAMAHA FS800

YAMAHA FS800は、FG800よりもコンパクトなフォークタイプのボディを採用したモデルです。

スプルース単板トップとナトーまたはオクメのサイド・バックを採用し、弾きやすさと豊かな響きを両立しています。
ボディ幅はFG800の412mmに対してFS800は380mmと小さく、抱えやすさを重視したい人に向いています。
小柄な人や、ギターを抱えたときの取り回しを重視する初心者には特に候補にしやすいモデルです。

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YAMAHA FG820

YAMAHA FG820は、FG800の上位に位置するモデルです。

スプルース単板のトップに、マホガニーのサイド・バックを組み合わせています。
マホガニーによる温かみのあるサウンドと、FGシリーズらしい力強い鳴りを楽しめるのが特徴です。
弾き語りやコードストロークを中心に、初心者から長く使えるギターを探している人にも適しています。

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Fender CD-60S

Fender CD-60Sは、FenderのClassic Designシリーズにラインアップされているドレッドノートモデルです。
スプルース単板トップとマホガニーのサイド・バックを採用し、スキャロップドXブレイシングによって豊かな響きと音量を実現しています。
また、指板エッジを滑らかに処理した「Easy-to-Play」ネックを採用しているため、初心者でも弾きやすさを重視して選びやすいモデルです。

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Fender CD-60S Dreadnought, All-Mahogany

同じCD-60Sシリーズでも、こちらはトップにマホガニー単板を採用したモデルです。

サイド・バックにもマホガニーを使用しており、温かみのあるメロウなサウンドが特徴です。
ドレッドノートならではの音量を確保しながら、スプルースとは異なる落ち着いた音色を楽しめます。
また、Easy-to-PlayネックやスキャロップドXブレイシングも採用されているため、演奏性を重視する初心者にも候補になります。

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5モデルを選ぶときの目安

初心者が選ぶ場合は、次のように考えると分かりやすいでしょう。

  • 標準的なアコギを選びたい → YAMAHA FG800
  • 小さめで抱えやすいギターが欲しい → YAMAHA FS800
  • 温かみのある音が欲しい → YAMAHA FG820
  • 弾きやすさと定番のドレッドノートを重視 → Fender CD-60S
  • マホガニーの温かい音が好み → Fender CD-60S All-Mahogany

特にYAMAHA FG800とFS800は、同じFG/FS800シリーズでもボディサイズが異なるため、実際に抱え比べてみると違いが分かりやすくなります。

まとめ

アコースティックギターは、ボディ形状やサイズ、木材、構造によって音色や演奏性が大きく変わります。

特に初めて購入する場合は、スペックや価格だけを見るのではなく、自分の体格や演奏スタイルに合っているかを確認することが重要です。

力強いコードストロークならドレッドノート、繊細なフィンガーピッキングなら小型のフォークタイプなど、「どんな演奏をしたいか」から逆算して選ぶと、自分に合った1本を見つけやすくなります。

また、ライブやバンド演奏を考えている場合は、ピックアップを搭載したエレアコも候補に入れておくとよいでしょう。

これからアコースティックギターを始める人はもちろん、2本目のギターを探している人も、ボディサイズ・木材・弾きやすさを比較しながら、自分の演奏スタイルに合ったモデルを選んでみてください。