ギターをアンプに繋いだとき、「シャー」というホワイトノイズや、演奏を止めた瞬間の「ジー」というハムノイズに悩まされた経験はありませんか?
ハイゲインな歪みペダルを使用したり、シングルコイルのピックアップを使ったりすると、どうしても避けられないのがこのノイズ問題です。
そんな悩みを一発で解決してくれるのが「ノイズゲート(ノイズサプレッサー)」というエフェクターです。
しかし、「なんとなくノイズが消えそうだから導入したいけれど、音痩せが気になる」「どう設定すればいいのか分からない」と感じているギタリストも少なくありません。
この記事では、ノイズゲートペダルの基本的な仕組みから、失敗しない選び方、実践的な使い方・設定方法まで、徹底解説します。
ノイズのないクリアなサウンドを手に入れて、ギターのパフォーマンスを最大限に引き上げましょう。
ノイズゲートペダルとは?基本的な仕組みを解説

ノイズゲートは、ギターの信号に含まれる「ノイズ」と「必要なギターの音(原音)」を音量の大きさで見分けて、自動的にノイズをカットしてくれるエフェクターです。
まずは、その基本的な仕組みを見ていきましょう。
ノイズゲートの仕組み(スレッショルドとは?)
ノイズゲートの動作を理解する上で最も重要なキーワードが「スレッショルド(Threshold)」です。
スレッショルドとは、日本語で「境界値」や「閾値(いきち)」を意味します。
ノイズゲートは、設定したスレッショルド(音量の基準値)を基準にして動作します。
- ギターを弾いているとき(音が大きい場合): スレッショルドよりも入力された信号の音量が大きいため、ゲートが開いて音がそのまま出力されます。
- ギターを弾いていないとき(ノイズだけの状態): 入力された信号がスレッショルドよりも小さいため、ゲートが閉じて音が遮断されます。これにより、バックグラウンドのノイズが消音されます。
つまり、演奏中は音が通り、ブリッジミュートなどで音を止めた瞬間にノイズごとバッサリとカットしてくれる仕組みになっています。
「ノイズゲート」と「ノイズサプレッサー」の違い
エフェクターの製品名を見ていると、「ノイズゲート」と「ノイズサプレッサー」という2つの名称があることに気付くでしょう。
厳密には少しニュアンスが異なりますが、現在のギター用エフェクター市場ではほぼ同義語として扱われています。
あえて違いを挙げるならば、ノイズゲートが「設定した音量以下をスパッと完全に遮断する(門を閉じる)」というアプローチをとるのに対し、ノイズサプレッサーは「ノイズのレベルに応じて自然に音量を下げる(抑え込む)」ような、よりナチュラルな効き方を意識した製品に使われることが多い名称です。
ただ、どちらも目的は「不要なノイズを取り除くこと」ですので、選ぶ際は名称の違いにそこまで神経質になる必要はありません。
ノイズゲートペダルの選び方:4つのチェックポイント
市販されているノイズゲートペダルは種類が豊富で、どれを選べばいいか迷ってしまいがちです。
ここでは、自分にぴったりのペダルを選ぶための4つのポイントを解説します。
1. コントロールの豊富さ(シンプルか多機能か)

ノイズゲートのコントロールは、モデルによって大きく異なります。
初心者であれば、スレッショルドノブが1つだけのシンプルなモデルが扱いやすくておすすめです。
直感的に設定できるため、迷うことがありません。
一方、中上級者やよりこだわりたい人には、アタックタイムやリリースタイム(ゲートが開閉するスピード)を調整できるモデルや、ディケイタイムを細かく設定できる多機能なモデルが向いています。
自分のプレイスタイルや求めるサウンドに合わせて選びましょう。
2. センド/リターン(ループ)端子の有無

ペダル型ノイズゲートの上位機種には、本体に「SEND」と「RETURN」の端子を備えているものがあります。
この端子があると、ノイズの発生源になりやすい歪みペダルなどをノイズゲートのループ内に組み込むことができます。
ギターの原音をダイレクトに検知させつつ、歪み系ペダルで発生した大きなノイズだけを効果的に消すことができるため、ハイゲインサウンドを多用するギタリストにはセンド/リターン付きのモデルが強く推奨されます。
3. 音痩せの少なさ(バッファードかトゥルーバイパスか)
エフェクターを接続する上で常に問題になるのが「音痩せ」です。
ノイズゲートは常に信号の音量を監視しているため、ペダルを通すことで高音域が削れたり、ダイナミクス(音の強弱の幅)が損なわれたりすることがあります。
近年の高品質なノイズゲートは音痩せが非常に少ない設計になっていますが、購入前に楽器店での試奏や、実際のレビュー動画などで「原音への影響が少ないか」を確認しておくと安心です。
4. ペダルのサイズとボードへの組み込みやすさ
エフェクターボードのスペースは限られています。
多機能なモデルはサイズが大きくなりがちですが、ミニサイズ(コンパクトサイズ)のノイズゲートも多数販売されています。
ボードの空きスペースに合わせて、自分のシステムに組み込みやすいサイズ感のものを選びましょう。
ノイズゲートペダルの正しい使い方と接続順
ノイズゲートはその性能を十分に発揮させるために、「どこに繋ぐか」という接続順が非常に重要です。
間違った場所に繋ぐと、期待した効果が得られないだけでなく、不自然な音の切れ方になってしまいます。
エフェクターボード内での最適な接続順
基本的な考え方として、ノイズゲートは「ノイズが発生するペダルの後、または空間系ペダルの前」に配置するのが一般的です。
一般的なペダルボードの接続順の例は以下の通りです。
- ギター ➔ チューナー ➔ オーバードライブ/ディストーション(歪み系) ➔ 【ノイズゲート】 ➔ コーラス/ディレイ/リバーブ(空間系) ➔ アンプ
空間系エフェクター(ディレイやリバーブなど)の後にノイズゲートを置いてしまうと、音が減衰して消えかけている残響音までノイズゲートが「不要なノイズ」と判断して強制的にカットしてしまいます。
ディレイの余韻をきれいに響かせるためにも、空間系の前、あるいは歪み系の直後に配置するのが鉄則です。
アンプの歪みを使う場合の「4ケーブルメソッド」
ギターアンプ自体のチャンネルプリアンプで激しく歪ませる場合、ペダルボード上のノイズゲート単体ではアンプの preamp から発生するノイズを消しきれないことがあります。
そこで活用されるのが、センド/リターン端子付きのノイズゲート(Boss NS-2やISP Decimator G Stringなど)を使った「4ケーブルメソッド」です。
ギターからの信号をまずノイズゲートのインプットへ送り、センドからアンプのインプットへ。
そしてアンプのセンドからノイズゲートのリターンへ戻し、ノイズゲートのアウトプットからアンプのインプット(リターン)へ戻すという接続方法です。
これにより、ギターのピッキングニュアンスを正確に捉えつつ、アンプの歪み回路で発生するノイズを強力にカットすることが可能になります。
失敗しないセッティング・調整方法のコツ
ノイズゲートを導入したものの、「音がプツッと不自然に切れる」「サステイン(音の伸び)が短くなってしまう」という悩みを抱える人は少なくありません。
ここでは、自然で音楽的なセッティングを行うためのコツを解説します。
スレッショルドの調整手順
最適なスレッショルドを見つけるためには、以下の手順で調整を行いましょう。
- ステップ1: ノイズゲートの効きを一番弱く(またはオフの状態から)スタートします。
- ステップ2: ギターのボリュームを絞った状態や、弦に触れずにアンプを鳴らした状態で、ノイズがしっかり乗っている環境を作ります。
- ステップ3: ノイズゲートのツマミを少しずつ上げていき、「シャー」というノイズがピタッと消えるポイントを探します。
- ステップ4: ノイズが消えたら、実際にギターを弾いてみます。強く弾いたときの音の立ち上がりや、チョーキング時のサステインが不自然に途切れないか確認します。
- ステップ5: もし音が途切れるように感じたら、ツマミをほんの少しだけ下げて、サステインが自然に減衰するように微調整します。
「ノイズが完全に消えるギリギリのポイント」を探るのが、音痩せを防ぎながらノイズを消す最大のコツです。
アタックタイム・リリースタイムの調整
アタックタイム(ゲートが開くスピード)とリリースタイム(ゲートが閉じるスピード)を備えたペダルを使っている場合は、以下のように調整します。
リリースタイムが短すぎると、音が急にプツッと切れてしまいデジタルな不自然さが生じます。
少しリリースタイムを長めに設定することで、音が消えていくグラデーションが滑らかになり、聴感上とても自然な消え方になります。
ただし、長すぎるとノイズが聴こえる時間が長くなってしまうため、バンドアンサンブルや好みに合わせてバランスを取りましょう。
まとめ
ノイズゲートペダルは、ギターサウンドから不要なノイズを取り除き、演奏のキレやダイナミクスを際立たせるための心強い味方です。
今回の記事のポイントをまとめます。
- ノイズゲートはスレッショルド値をもとに、音量に応じて自動でノイズを遮断する仕組みである。
- 選ぶ際は、コントロールのシンプルさ、センド/リターンの有無、音痩せの少なさをチェックする。
- 接続順は基本的に歪み系の後、空間系(ディレイ・リバーブなど)の前に配置するのが基本。
- セッティング時は「ノイズが消えるギリギリのポイント」を探り、サステインが自然に伸びるように微調整する。
ノイズに悩まされるストレスから解放されると、演奏への集中力も高まり、プレイの質そのものが向上します。
ぜひ自分のプレイスタイルやシステムに合ったノイズゲートを取り入れて、クリアで抜けの良い理想のギターサウンドを手に入れませんか?
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